ゴルフ場でプレイする際にありがちな悩みとしてカートの扱い方があります。
カートを停止させる位置や相乗りの際の席順など、ゴルフ初心者がつまづきやすいポイントと言えるでしょう。
ここではゴルフカートの上手な扱い方やトラブルの対処法について紹介します。
ゴルフ場におけるカートの扱い方
多くのゴルフ場では自走式カートを採用している
日本で多用されているゴルフカートはマニュアル式とも呼ばれている自走式カートです。
自走式カートは乗用車のようにハンドル操作で方向を決め、アクセルやブレーキは足踏みペダルで操作します。
環境への配慮から排気ガスを出さない電動式が多く、主に2人乗りか4人乗りです。
また、自走式カートは左ハンドルが普通ですが、これは最初にカートを開発したアメリカが左ハンドル式であり、それに倣ったためとされています。
ゴルフ場でカートを運転する際の注意点
ゴルフカートの運転には自動車免許は不要とされています。
カートは法律における自動車とは異なる乗り物であり、公道を走行できないためです。
しかし、自走式のカートは自動車とほぼ同じ構造であり、スピードを出し過ぎると危険です。
そのため、ゴルフ場によっては自動車免許を持っていない人にカートを貸し出さない所があります。
また、カートは車体の重心が高いので横転しやすい欠点もあります。
ゴルフ場は高低差が大きな地形が多いため運転には注意が必要です。
安全への配慮から、リモコンで車両を操作する自動式のカートを使うゴルフ場も増えています。
カートを止める位置の決め方
ゴルフをプレイする際に悩むのがカートを止める位置です。
ゴルフ場は何人ものプレイヤーが順繰りにプレイするので、カートの止め方によっては他のプレイヤーに迷惑をかけてしまうおそれがあります。
カートの扱い方に関するルールはゴルフ場ごとに異なるので確認を忘れてはいけません。
カート専用の道路以外を走ってはいけないゴルフ場の場合は問題ありませんが、フェアウェイにカートを入れることができるゴルフ場の場合は止める位置に気を配る必要があります。
坂になっている所やバンカーの脇は横転のおそれがあるので絶対に止めてはいけません。
また、後ろにいる他のプレイヤーから死角になる位置も避けます。
カートを見えやすい位置に止めるのは誤ってボールを打ち込んでしまうのを防ぐ意味があるのです。
カートによる事故への対処方法
カートによる事故は責任の所在が重要な問題
本来ならあってはならないことですが、ゴルフカートが関係する事故は決して珍しいことではありません。
カートで人をはねてしまった、走行中に横転して同乗者が怪我を負ったなどカートの事故は様々です。
万が一、カートを運転して事故を起こした場合は速やかに被害者を助ける必要があります。
近くの人に助けを求めることも大切ですが、責任の所在を明らかにすることも忘れてはいけません。
なぜなら、ゴルフ場での事故は直接の原因である加害者だけではなく、同伴しているキャディーやゴルフコースを管理する会社にも責任があると見なされているためです。
事故を起こした直後はショックで動転しているかもしれません。
しかし、必ずしも加害者にすべての非があるとは限りません。
カートによる事故は運転していた加害者だけではなく、同乗していたキャディーやカートの所有者である管理会社の責任も少なくないと言えます。
そのため、事故に詳しい弁護士に相談するなど冷静に対処する必要があるのです。
カートの事故を補償できる保険
公道を走行する自動車で事故を起こした場合、契約している自動車保険で損害が補償されます。
ゴルフカートの場合は自動車保険や火災保険のオプション契約か、あるいはゴルファー保険で補償を受けることが可能です。
自動車保険や火災保険のオプション契約については保険会社によって条件が異なります。
ゴルファー保険はゴルフに特化した損害保険なので、他の保険のオプション契約よりも補償内容が充実していると言えるでしょう。
カートによる事故も同様であり、他の保険のオプション契約では補償されない内容でもゴルファー保険なら大丈夫というケースは少なくありません。
しかし、ゴルファー保険の多くは掛け捨てで、中には1日だけ有効な契約もあります。
そのため、ゴルファー保険を利用する際は契約期間の確認を忘れてはいけません。
カートに乗る際のマナー
ゴルフは紳士のスポーツ
ゴルフは古くから紳士のスポーツと呼ばれています。
誰に対しても礼節をもって接することがゴルフのマナーとされているためです。
カートの利用も同様であり、移動が楽だからと言ってだらしない態度で乗ってはいけません。
他人に不快感を与えず、自分自身もゴルフを気持ち良くプレイするために礼儀正しく利用することがプレイヤーのあるべき姿と言えるでしょう。
知らない人と相乗りになった際のマナーについて
ゴルフコンペなどで複数の人と一緒にゴルフカートに乗る場合、席順で迷ってしまうことがあるかもしれません。
基本的には自動車と同様に運転手が若手、もっとも目上の人が助手席、それ以外の人が後部座席に座ります。
キャディーが運転する場合は若手も後部座席に座りますが、その際はもっとも乗り降りに手間がかかる真ん中の席を選ぶのがマナーです。
しかし、ゴルフコンペでは面識がない人とカートを相乗りするケースも少なくありません。
そのような場合は積極的にカートを運転するように心がけます。
自分は若輩者であると謙遜の意思を示すことができるのです。
また、相乗りする人がカートの運転を申し出た際は素直に受け入れ、ハンドルを譲るのも大人のマナーです。
社会人としての常識があればほぼ安心
ゴルフを練習したりルールを勉強することは容易ですが、ゴルフカートの扱い方を学ぶ機会は多くありません。
ゴルフ場でカートを運転した際にトラブルを引き起こさないためにも、カートの正しい扱い方をしっかりと把握することが重要と言えるでしょう。
安全第一を徹底する他、万が一の事故を想定してゴルファー保険を契約することを忘れてはいけません。
また、カートの席順に関する知識も必要ですが、社会人としての常識やマナーを心得ているならほぼ大丈夫と言えるでしょう。