ゴルフを始めると必ず耳にする言葉「ティー」。
コーススタートの際にプレイヤーが最初にボールを打ち出す場所を指す「ティーグラウンド」、そこから打つ最初の一打を指す「ティーショット」、そしてティーショットを打つためにボールを固定する「ティーペグ」や「ティーアップ」。
様々な場面で耳にする言葉ですが、今回は以下の4つのトピックに分けて、ゴルフを始めたばかりの人にもわかりやすく「ティー(ティーペグ)」と「ティーアップ」について解説していきます。
- ティー(ペグ)とは何か?長さや種類
- ティーの高さによるメリット・デメリット
- ドライバーのティーアップの高さ
- ドライバー以外のクラブを使用する際のティーアップの高さ
ゴルフを始めたばかりの人、現在ティーの高さで悩んでいる人などは、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもティーとは何か?
そもそも、「ティー」には、どのような役割があるのか、どんな長さがあるのか、そしてどんな種類があるのか?
まず始めに皆さんが使う「ティー(ティーペグ)」についてご紹介したいと思います。
ティー(ティーペグ)ってなに?
ティー(ティーペグ)とはティーグラウンドからティーショットを打つ際に使用する、木やプラスチックでできた釘状の道具の事を指します。
道具の正式名称はティーペグですが、一般的にプレイヤーには「ティー」と省略して呼ばれることが多いです。
ティーは各ホールの第一打でのみ利用する事ができるボールの台座で、フェースの芯に充てやすくなるというメリットが特徴です。
ティーには以下の4つの規則を破ってはいけないという基本ルールがあります。
- 4インチを超えるもの(4インチ=10.16cm)
- プレーの線を示すようにデザイン・設計されているもの
- ボールの動きに不当に影響を与えるもの
- その他、プレイヤーを援助するような働きがあるもの
この4つのどれかに該当するティーを使用することは違反となります。
長さは3種類
ティーの長さはロング・ミドル・ショートと3種類に分けることができます。
一般的にロング・ミドル・ショートとは以下の長さのティーの事を指します
- ロングティー:5cm~10cm前後
- ミドルティー:5cm~8cm前後
- ショートティー:5cm未満
ロングティーとショートティーが昔は一般的でしたが、ロングティーの役割も果たしつつ、深く差すことによってショートティーとしても使用できるミドルティーが現在の主流となってきています。
- ドライバー用のロングティー
- アイアン等のティーショットに適しているショートティー
- 様々な状況に対応できる万能なミドルティー
コースや状況に応じて使い分けていくのが基本の使用方法となります。
ティーの種類
次はティーの種類を見ていきましょう。ティーの素材は木製・プラスチック製・ゴム製の3つに大きく分けることができます。
近年は様々な特徴あふれるティーが発売されています。自分にあったティーを選んで、安定したプレーに繋げていきましょう。
ここからは、種類と特徴をご紹介していきます。
ウッドティー
ウッドティーは最もベーシックな木製のティーです。比較的安価で購入することができ、木製の為環境にも優しいです。
一方で深く差しすぎてしまうなど高さを一定に保つには技術が必要です。初心者ゴルファーの中には苦手意識を持っている人も少なくないでしょう。
リフトティー
ボールを支点で支えることでインパクト時のボールへの抵抗を少なくするように設計されているのがリフトティーの特徴です。
多くの商品はショート・レギュラー・ロングというセットで販売されており、状況に応じて毎回同じ高さにティーアップすることが可能なので、ショットの安定感や打ちやすさに定評があります。
プットティー
地面に刺さず、地面に置くタイプのティー。たこ足のような台座が特徴的でティーが刺さりにくい冬のゴルフなどでも重宝します。
刺さないことでインパクト時の抵抗を減らすことが可能に、さらにいつも同じ高さでティーアップすることができます。
ポケッティー
ポケッティーは折りたたむことができるティーです。スリットがついていて、地面に指す部分を折りたたむことができます。
ラウンド中ポケットに入れて持ち運ぶことの多いティーですが、折りたためることによって取り出すときに、指やズボンに刺さってしまう心配もなくなります。
また支柱部分が折りたためることにより、インパクト時のボールへの抵抗を減らすことも可能です。
ブラッシュティー
台座の部分がブラシでできているブラッシュティー。ティーとボールの接する面積を少なくすることによってインパクト時の抵抗を減らし、低スピンでのショットが打ちやすくなります。
飛距離や方向を安定させるために利用する人が多いティーです。
ナナメッティー
名前の通り斜めに指すティーがナナメッティー。通常ティーの軸よりボールが前方に位置することでインパクト時の抵抗を減らし、低スピンと飛距離アップにつながるように設計されています。
オフセットティー
ナナメッティーとは逆で軸に対してボールを後方にセットできるのがオフセットティー。
ボールが後方に位置することでボールのみをインパクトすることができるようになります。
エポックティー
比較的最近開発されたハイテクティーがエポックティー。なんと今ではUSPGAツアー出場選手の使用率No.1ティーになっています。
多くのメジャーツアーで推奨されているこのエポックティーは、ボールとの接地抵抗を90%軽減し、ディンプルに引っかからない為、サイドスピンがかかりづらく設計されています。
素材自体も環境にやさしいものを使用しているため、これから先さらに多くのゴルファーに愛用されていくのではないでしょうか?
ティーの高さによるメリット・デメリット
ティーの長さや種類をご説明したところで、今度は実際ティーアップをする際の高さについてみていきましょう。
ティーの長さが様々な用に、ティーアップの高さにもメリット・デメリットが存在します。
ここでは以下の2つに分けて解説していきたいと思います。
ティーを高くするメリット・デメリット
まずはティーを高くすると、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
長めのティーを使ってティーを高くする最大のメリットは、アッパーブローで高弾道のショットが打ちやすくなるという部分です。
フォローの風が吹いている際は、高弾道で風に乗せて飛距離を伸ばす事ができるので、飛距離を伸ばしたい人にはおすすめです。
一方デメリットは「あおり打ち」の意識が出やすいため、無駄に高弾道になってしまい、飛距離が伸びない場合があります。また右プッシュが多くなる場合もあるので注意が必要です。
高弾道のショットも使い方を間違ってしまうと、デメリットになってしまうので、ティーを高めに設定する場合は状況や環境をしっかり考えながら使っていきましょう。
ティーを低くするメリット・デメリット
続いてティーを低くするメリット・デメリットがこちら!
メリットはティーを低くすることによって低弾道のショットが打ちやすくなります。そのためアゲインストの風にも負けない強いショットを打つことが可能になり、OBになる可能性も下げることができます。
一方デメリットは、低いティー独特の視覚の低さにあります。視覚的にボールが低くなるため、時に体が突っ込んでしまいボールを引っかけてしまうことがあります。
ティーの高さを低く設定する際は、普段通りのスイングを意識して、なるべく突っ込まずに打つ事を意識しましょう。
ドライバーのティーアップの高さ
ティーショットの際一番使うことが多いのがドライバー。実際自分に合ったティーアップの高さを探している人も多いと思います。
ここでは以下の3つに分けてドライバー使用時のティーアップの高さを解説していきます。
- 基本的なティーの高さ
- ティーアップを高くした方が向いている人
- ティーアップを低くした方が向いている人
これらを知っておくと、大事な一打目に安定感が生まれるのでぜひ参考にしてみてください。
基本的なティーの高さ
まずは基本的なティーの高さを見ていきましょう。
ドライバーの場合、様々なヘッドの形状、大きさ、厚さがありますが、「ドライバーのヘッド上部とボールの赤道の高さが同じ」というのが基本の考え方となります。
初心者の方で感覚を測るのがなかなか難しい人は、ソールした際クラブヘッドの頂部からボールが1/3程度はみ出すイメージでティーアップしてみるとよいでしょう。
使用しているドライバーにもよりますが、最近のドライバーはスイートスポットがフェースの高い部分に設定されているドライバーが多いです。そのためフェースの中心よりやや高めの部分でヒットすることにより、飛距離アップが狙えることが多いです。
ティーアップを高くした方が向いている人
自分に合ったティーアップの高さに調整する際、ティーアップを高く設定したほうが良い人は以下のような人です。
- ドロー系の人
- 高弾道の球が多い人
- アッパー(インサイドアウト)軌道の人
- 飛距離を出したい人
- ヘッドが上から入る癖を治したい人
一般的にティーを高くすることにより飛距離が出ると考えられています。一方で安定しないと考える人も多いため、上記を元に自分のプレースタイルに合わせて微調整していってください。
ティーアップを低くした方が向いている人
ティーアップを低くした方が向いている人は以下のような人です
- フェード系の人
- 低弾道が多い人
- ダウンブロー(アウトサイドイン)軌道の人
- 中級者・上級者の人
- コントロールショットを打ちたい人
一般的にはティーアップが低い方がコントロールショットを打ちやすいといわれています。そのため、中級者や上級者で環境やコースによってショットを打ち分けることができる人におすすめの場合が多いです。
ドライバー以外のクラブを使用する際のティーアップの高さ?
ではショートホールなどでドライバー以外のクラブを使用する際のティーアップの高さはどのようにするべきなのでしょうか?
3つに分けてご紹介します。
アイアンの場合
アイアンを使用する際は、基本的に最高のライ(ボールのある状態)を再現しましょう。ボールが芝に沈まない状態、つまりボールの底面が芝にぴったりくっついている状態を意識します。
わかりやすい目安でいうと、「ボールを乗せるとティーが隠れてしまうくらいの高さ」が理想です。こうすることによりボールとフェースの間に芝が入り込むことを防ぐことができ安定感が生まれます。
ロングアイアンの場合はティーが若干見えるくらいまでティーアップすることにより飛距離と方向を安定させることが可能となります。
ユーティリティ
ユーティリティのティーアップはアイアンよりも若干高めに設定するのがおすすめです。高さにすると1.5cmから2cm、ロングアイアンの高さに近く、ティーが若干見えるくらいを目安に調整をしていくとよいでしょう。
アイアンと同じ高さで設定する人も多いですが、ユーティリティはフェースの上下のミスに強いクラブという特性があるため、アイアンより少し高めの方がその特性を上手く生かす使い方ができます。
フェアウェイウッド
フェアウェイウッドの場合、5mm~10mmを目安にティーの頭が完全に出ている状態を基本に調整していきましょう。
初心者の方はボールの1/4がヘッドから出るくらいを目安にすることによってショットに安定感を生み出すことができる場合が多いです。
しかし、フェアウェイウッドにはシャローフェースやディープフェースなど様々なタイプがあるため、基本の目安を元に、ご自身の持っているフェアウェイウッドに合わせて微調整していく事が重要です。
自分のクラブやスタイルに合わせて柔軟に対応していく事が大切
いかがだったでしょうか?ひとまとめに「ティー」といっても様々な長さや種類があり、そしてクラブによって使い分けるなど、細かい気配りが重要になってきます。
ゴルフは1mm単位の細かな違いで差が生まれてくるスポーツです。
まずはティーとは何か?そしてどんな種類があるのか?を理解したうえで、自分のプレースタイルやその時々の環境に合わせて使っていく必要があります。
しかしそれは同時にティーやティーアップの奥深さにも繋がっており、こだわっていく事でより最高のプレーに繋げていく事ができます。
ぜひご自身にとっての最高のティー探しをしていただき、さらに充実したゴルフライフを送ってください。