今回は、オリンピックのゴルフのルールと共に、スコアの計算方法を解説します。
ゴルフに詳しくない方でも、一読しておけばオリンピックの観戦を存分に満喫できるでしょう。
オリンピック競技の一種・ゴルフについて知ろう
ルールの概要
オリンピックにおいて、ゴルフは男子も女子も個人技を競うスポーツです。
国別対抗戦ではあるものの、団体戦や男女混合戦はありません。
オリンピックの開催期間中、4日間にわたってストロークプレーで行われます。
全72のホールを最も少ない打数で終了したプレーヤーが王者となります。
4日目にコースが終了した時点で、1位タイのプレーヤーが2名以上いる場合には、延長戦で順位を確定しなければなりません。
因みに、空振りした際には、ボールが微動だにしていなかったとしても、1打とします。
目測を誤って池に打ち込むなど、ボールを紛失してしまった折には、ペナルティが加算されます。
但し、ゴルフには審判が存在していません。
審判の代わりに競技委員がプレーヤーに帯同し、プレーが適正に行われているか否かをジャッジします。
ペナルティの加算は競技委員の判断に委ねられています。
装備品に関するルール
1名のプレーヤーが使用できるクラブは、14本以内です。
15本以上のクラブを携帯してプレーすることは、違反行為です。
使用できるクラブの本数が制限されているため、各プレーヤーはコースの状況や自身の技量に応じて、クラブを組み合わる必要があります。
一般的に、アイアンは短距離を、ウッドは長距離を狙う場面で有用です。
必要なアイアン・ウッド・パターを揃え、シーンに合わせて使い分けることが勝利の鍵となっています。
使用できるボールは、重さ45.93グラム以下、直径4.2センチメートル以上のものです。
表面に無数の窪み・ディンプルが形成されています。ディンプルが無ければ、飛距離を伸ばしにくく、思い通りの軌道を描けません。
いずれのプレーヤーもオリンピック委員会が決めたボールを使い、72ホールを回ります。
出場資格
オリンピックに出場可能なゴルファーの人数は、男子60名、女子60名です。
国際ゴルフ連盟によるランキングが出場選手を選考する基準となっています。
このランキングは、オリンピック開催前の2年間の戦績に基づいて、ゴルファーをランク付けしています。
但し、複数の条件があり、男子・女子の部、それぞれ上位60名の選手が必ず出場できる訳ではありません。
ランキング15位以内につけている全ての選手に対して出場資格が自動的に与えられますが、いずれの国も最大4名までと決まっています。
つまり、1つの国から5人以上の選手が出場することはできません。
同一国に名だたるプレーヤーが数多く存在している場合には、トップレベルの選手でも出られない可能性が高いです。
尚、残りの出場枠は、ランキングの16位以下、5大陸と開催国の最上位者で分け合います。
どの選手が東京オリンピックに出場できるのか
2019年5月時点、男子の部では松山英樹選手と今平周吾選手が各ランキングの上位に入っています。
女子の部では、畑岡奈紗選手と鈴木愛選手が名手として注目されています。
しかしながら、四大大会の開催に伴って、ランキングが急激に変動する可能性を否めません。
前述した4名以外の選手が躍進し、東京オリンピックで大活躍する場合もあります。
スコアの計算方法について
マーカーがスコアを計算する
ゴルフ競技には、審判だけでなく、スコアラーもいません。
その代わりに、マーカーと呼ばれる人物がプレーヤーと一緒にラウンドを回り、スコアカードを作成しなければなりません。
通常、マーカーは、スコアカードに1ホールごとのスコアを記入し、1日ごとに合計を算出します。
最終ホールが終了した時点で、4日間のスコアを合算し、プレーヤー個人のオリンピック記録として提出します。
尚、ラウンドの最中は、1回プレーヤーがクラブを振る度に、打数・スコアを1増やさなければならないため、数字で記録しません。
1本の線を引き、打数1とすることが多いです。
例えば、日本人のマーカーの場合は、正の文字を用いて、スコアをつけるケースが一般的です。
計算の方法はマーカー個々で異なっているものの、ルールに基づいて正しくスコアをつける考え方は同じです。
ペナルティも正しく記載
名手でもオリンピックという大舞台では、緊張状態に陥りやすいです。
目測を見誤ってしまい、ペナルティが加算されてしまうこともあります。
マーカーは、競技委員と連携してプレーヤーの行為を確認し、ペナルティの加算を正確にメモする必要があります。
打数もペナルティも正しく書き記しておかなければ、適正なスコアカードを作成できません。
世界最高峰のゴルフを楽しもう
前述した通り、オリンピックのゴルフには世界的に有名なゴルファーが数多く参戦します。
ルールに則り、自身の経験と能力を生かして、素晴らしいプレーを披露します。
誰よりも少ない打数でコースを回るというシンプルなルールのため、ゴルフ未経験者でも観戦を満喫できる可能性が高いです。
観戦する折には、プレーヤーに帯同している競技委員やマーカーの動向にも着目してみてはいかがでしょうか。