日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯では、畑岡奈紗が数々の大会記録更新で優勝しました。
その背景には、畑岡自身の実力に加え、渋野日向子との切磋琢磨もありました。
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯は、畑岡奈紗が2位以下に大差をつけて優勝
畑岡奈紗の圧勝に終わったコニカミノルタ杯
2019年9月12日から15日にかけて、兵庫県のチェリーヒルズにおいて、第52回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯が行われました。
優勝は1999年生まれの畑岡奈紗で、通算18アンダーという大会記録を更新した素晴らしいものでした。
270ストロークという結果も、大会最少ストローク数を更新しています。畑岡は、ショットの精度の高さが功を奏し、2位とは8打差という圧勝でした。
2019年度コニカミノルタ杯は新記録づくめ
畑岡奈紗にとっては、コニカミノルタ杯優勝は20歳245日での国内メジャー3勝目となり、史上最年少記録となりました。
また、LPGAツアー出場17試合目で生涯通算獲得賞金が1億円を突破し、日本人選手では史上最速記録を更新しています。
畑岡奈紗が全英女子オープン優勝の渋野日向子を抑えて優勝できた理由
ギャラリーの注目を集めていた渋野日向子
2019年度コニカミノルタ杯で注目されていた渋野日向子は、2019年8月、海外メジャーであるAIG全英女子オープンに初出場で優勝しました。
これは1977年の全米女子プロ選手権の樋口久子以来となる42年ぶり2人目のメジャー制覇であり、大きな話題となっていたのです。
その証拠に、2019年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯では、観客数は今季最多の1万3000人でした。
岡山県出身の渋野日向子にとっては地元に近い場所での開催であったことも、ギャラリーが多かった理由でしょう。
なぜ渋野日向子はスコアが伸びなかったのか
しかし、渋野日向子は33位と結果を残せませんでした。最長30cmのラフを試合で初めて経験し、スコアを伸ばせなかったのが原因です。
2019年コニカミノルタ杯のコースセッティングは岡本綾子が担当していました。
ラフは長めであるものの、フェアウェイのコンディションが素晴らしかったので、良いショットをし、ラフに入れないようにプレーすればスコアが伸ばせるとの意図でした。
渋野日向子はショットが安定せず、ラフからのアプローチショットにミスが目立ちました。
この岡本綾子のコースセッティングを生かしてスコアを伸ばせたのが畑岡奈紗だったのです。
高精度のショットに定評がある畑岡奈紗
畑岡奈紗のショットの再現性の高さには、クラブのメーカースタッフも驚くと言います。
距離のブレや曲がり幅が少なく、ボールがクラブに当たるミート率も理想値を下回ることがほとんどないというのは、畑岡奈紗のショットの精度が高いことを裏付けています。
2019年のコニカミノルタ杯では、その畑岡奈紗の技量が優勝を導いたと言っても過言ではないでしょう。
畑岡奈紗と渋野日向子は、2ラウンド以降のスコアに差が出る
畑岡奈紗は1ラウンドのスコアは69でしたが、2ラウンド以降を全て67と安定したスコアで終わりました。
一方渋野日向子は1ラウンド目が70ではあるものの、2ラウンド75、3ラウンド72、4ラウンド70とスコアに安定性が見られませんでした。
コースセッティングをした岡本綾子も、4日間できるだけラフに入れずにフェアウェイ上でプレーできる選手は多くないと見込んでいたようですが、逆にそれができる選手はスコアが伸びるとも予想していました。
精度の高いショットを打ち続けられる畑岡奈紗と、フェアウェイキープ率が低かった渋野日向子の差が、この4日間のスコアに表れたと言えます。
渋野日向子の快挙が畑岡奈紗の奮起につながる
畑岡奈紗は、海外メジャーだけはうまく調子を合わせられませんでした。
同世代の渋野日向子が全英女子オープンで優勝したことで、畑岡奈紗は悔しい気持ちを抱えながら練習に励みました。
トレーニングのほか、気持ちの切り替えもうまくこなしてコニカミノルタ杯に臨めたことが、今回の結果に繋がったものと言えます。
畑岡奈紗の正確なショットがコニカミノルタ杯の優勝を引き寄せた
第52回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯は、大会期間を通じて正確なショットを保ち続けた畑岡奈紗が、大会記録を更新する通算18アンダーで優勝しました。
2位以下との大差での勝利は畑岡奈紗の実力を世に知らしめました。
また畑岡奈紗にとっては、大会最少ストローク数を更新、史上最年少での国内メジャー3勝目、生涯獲得賞金1億円突破と、新記録づくめの大会でもありました。