ゴルフを楽しんでいて体力の衰えを感じることは、ゴルフが大人向けのスポーツだからこそ珍しいことではありません。
ゴルフを嗜む人の多くが活発でエネルギーに満ちているにも関わらず、年齢とともに体力の衰えを感じてしまうのはなぜでしょうか。
ゴルフは3つの側面を持つ総合スポーツだと知る
中高年に多くのファンを持つゴルフは、裕福な人達が嗜む社交ツールと考えがちです。
しかし、実際にゴルフ場でラウンドしてみると、ウォーキングとスイミングに加えて頭脳ゲームを行っているようなものだと気がつきます。
なぜなら、ゴルフカートを使っていても各ホール内はある程度自力で歩行するだけでなく、プレーが遅延しないように後続グループへの配慮から、キビキビと歩くからです。
加えて、ゴルフショット時には瞬発力を使った無酸素運動を行い、イーブンパーで抑えるためには球筋と選択するクラブを考えなければなりません。
移動時にはウォーキングをしているかのような有酸素運動、ショット時には無酸素運動を行い、同時にゴルフショットの内容を絶えず考えなければならないからこそ、ゴルフは体力・知力を使う立派なスポーツとなるわけです。
普段は仕事ばかりで週末のみゴルフで汗を流すといった状況では、年齢とともに日頃の生活が原因で体力の衰えを感じやすくなります。
つまり、ゴルフをプレイし続けているのに体力の衰えを感じてしまうということは、日常で有酸素運動を行う習慣が不足しているために持久力が低下してしまい、発生するわけです。
体力の衰えを感じさせないためには有酸素運動を日常生活に取り入れよう
週末にゴルフで疲れてしまうからといって、平日に全く運動をしないことは持久力の衰えを更に加速する原因となりかねません。
友人同士でのゴルフのみならば隔週にして、間の週はジムで有酸素運動を行うトレーニングをするといった方法があります。
しかし、毎週接待ゴルフが入っている状況では、有酸素運動を平日のうち1日または2日程度取り入れることで体力を戻しておく必要があるでしょう。
例えば、出勤前に30分から1時間程度ウォーキングを行って、有酸素運動をしっかり取り入れるといった方法が有効です。
一方、平日の勤務上がりにジムへ通う余裕があるならば、最初からトレーナーへ有酸素運動により持久力アップを行いたいと相談すれば、トレッドミルを使ったメニューを考えてくれます。
股関節に負担がかかっても構わなければジョギングという方法がありますが、有酸素運動により体力を底上げする場合には、早歩きを基本とするウォーキングが望ましいです。
なぜなら、あくまでも筋力を鍛えるわけではなく肺や心臓といった循環器の衰えを防いで持久力の底上げを行うためだからです。
ウォーキングを通勤に取り入れてみよう
ゴルフをラウンド中に前半は問題なくプレイできていても、後半になると一気に崩れてしまう状況ならば、持久力アップと並行して平衡感覚を養うことが重要です。
有酸素運動を行うことにより持久力のアップを狙えても、完全に年齢に抗うことは難しいとされています。
そこで、ゴルフスイングを行う時に余計な体力を使わないように平衡感覚を磨くことが役立ちます。
なぜなら、ゴルフスイングが乱れてしまうと1ホールあたりのスイング数が増えてしまい、スコアが落ちるごとに疲労感も強くなってしまうからです。
スイング数が増えれば年齢に関係なく疲れてしまうことは当たり前であって、ゴルフスイングの精度を高めるだけでも体力の衰えをカバーできます。
平衡感覚が加齢に伴い衰えてしまうことは、フィットネストレーナーならば誰もが知っていることです。
ゴルフの愛好家ほど普段からフィットネスジムへ通うことが減ってしまうので、そもそも専属トレーナーへ体幹トレーニングについて相談したことがないという人が珍しくありません。
ウォーキングを、ヒザを伸ばしたままカカトから着地して自らの体重を乗せる股関節歩行に注意しながら行うだけで、体幹トレーニングと並行して平衡感覚を鍛えることが可能です。
高齢者の歩き方を観察すると分かるように、ヒザ歩きと呼ばれる、前に出した足がカカト着地時に曲がったままとなる歩き方をしていると、平衡感覚を使う機会が減って衰えてしまいます。
ゴルフスイングは、筋力・柔軟性・平衡感覚の3つをバランスよく使わなければ理想的なショットができません。
最も無意識に衰えがちな平衡感覚を取り戻すことが、結果的にゴルフコース前半での無駄な体力消耗を防ぐことに繋がります。
ゴルフスイングの練習ではアプローチを意識しよう
ゴルフスイングの数を減らすことができれば最終的に体力の消耗を減らすことに繋がるので、ゴルフスイングの練習を行う時にはアプローチの上達を意識することが近道です。
シニアプロが活躍できるのは、ゴルフには経験と知力が必要だからこそ、経験の豊かさに基づく技術でアプローチ精度を上げていることが理由の一つです。
飛距離が徐々に減ってもスコアが変わらずにゴルフを楽しめるシニア世代がいることは、アプローチの上達により体力の衰えをカバーしている証拠となるわけです。
ゴルフは飛距離重視と考えてしまう人がいますが、一部のトッププロを除いてゴルフで最終ホールまでスムーズに進むために必要なことは、アプローチ精度です。
ゴルフクラブの中で飛距離による影響を受けるのは、主にドライバーのみ。アイアンは何番を選択したのかといったクラブの選択次第で、適切な位置にボールを繋ぐことが役割となっています。
このため、次にボールを進めたい場所へ到達するために必要な飛距離と、自らの体力に合わせてアイアンを選びさえすれば、体力の衰えが原因で飛距離が出ないという理由にはなりません。
グリーンへ乗せた後はパター勝負となるので、そもそも体力よりも集中力とラインの読みが重視されます。
そのため、ゴルフを最終ホールまでプレイし続けるためには、少なくとも18ホールを歩き続けるだけの体力さえ衰えをカバーすれば、以降はゴルフスイングの精度を上げることに集中できます。
ゴルフで体力の衰えを感じたら有酸素運動を取り入れ練習内容を見直そう
ゴルフで体力の衰えを感じるタイミングは、長くゴルフを楽しんでいれば誰にでも起こり得ることです。
ゴルフは有酸素運動と無酸素運動に加えて頭も使うスポーツだからこそ、体力の衰えは有酸素運動を続ける持久力の衰えとして表面化します。
そこで、少なくともウォーキングによる有酸素運動を取り入れて18ホール分を大股開きで歩けるだけの持久力をつけることが重要です。
また、平衡感覚を磨いて飛距離重視ではなくアプローチ力を高める方向で練習を続ければ、体力の衰えが原因でスコアを落とすといった状況が生まれにくくなります。