多くのスポーツにはトッププレイヤーが多数輩出される、黄金世代と呼ばれる層が存在します。
女子ゴルフも例外ではなく、98年度生まれのプレイヤーの多くが優れた技能を持つ逸材なのは紛れもない事実です。
ここでは98年度生まれにトッププレイヤーが多い理由や代表的な女子プレイヤーについて記載していきます。
有名プレイヤーの活躍が優れたプレイヤーの誕生に繋がる
女子ゴルフ界のスーパースターだった宮里藍
日本の女子ゴルフ界を代表するプレイヤーとして宮里藍の名前をあげる人は少なくありません。
それまでゴルフは男のスポーツというイメージがあり、実際に有名なプレイヤーのほとんどは男性でした。
女性プレイヤーも活躍していましたが少数であり、技能の割には知名度が高くなかった事実は否定できません。
そのような中で活躍したのが宮里藍です。
1985年生まれの宮里は2人の兄と共に幼少期からゴルフの英才教育を受けていました。
小学1年生の時にゴルフコースに立ち、その2年後に初めてホールインワンを決めました。
2003年には史上初である高校生プロゴルファーになり、以降は様々な大会で活躍するに至ったのです。
有名選手の活躍はスポーツのイメージを大きく変える
98年度生まれの女子ゴルフプレイヤーが黄金世代と呼ばれるのは、その世代が幼少期の頃に宮里藍の活躍を知ったことが影響しています。
プロ野球や女子バレーボールなどの例がある通り、小さい子供はスタープレイヤーが活躍するスポーツに強い関心を持つ傾向があります。
女子ゴルフの場合、宮里の活躍が頻繁にニュースとして取り上げられたことによって知名度も上がり、小さい子供が関心を抱くようになったのです。
それまでは男性プレイヤーの多さから男のスポーツというイメージがあったゴルフですが、宮里の活躍によってそのイメージが覆されたと言えるでしょう。
ゴルフは性別を問わず、実力次第で世界に躍進できるスポーツと再認識されたのです。
黄金世代と呼ばれるほど活躍できる理由
黄金世代の定義
女子ゴルフの黄金世代は98年度生まれ、というイメージがあります。
実際にその通りですが、必ずしも98年生まれに限った話ではありません。
一部のプレイヤーは99年生まれですが、これは年度の定義がその年の4月1日から翌年の3月31日とされているためです。
幼少期からの英才教育が実を結んでいる
黄金世代と呼ばれるほどの活躍をするゴルフプレイヤーはある日突然、ゴルフが上手になったわけではありません。
世界的に活躍できるほどの優れたプレイヤーはそのほとんどが幼少期から質の高い教育を受けている共通点があります。
ゴルフは日頃の練習が大切なのはもちろん、優れたセンスも求められます。
一朝一夕で得られるものではなく、幼少期からの英才教育を受けて初めて自分の物にできると言っても過言ではありません。
黄金世代のスタープレイヤーは家族が代々スポーツ選手だったというケースが少なくありませんが、プロスポーツの価値観や考え方が根付いている環境で育ったことがゴルフを学ぶうえでの糧になったのは紛れもない事実です。
優れた技能を持つ女子プレイヤーについて
2019年に海外メジャーで優勝した渋野日向子
黄金世代と呼ばれる98年度生まれの女子プレイヤーの中でも渋野日向子の活躍は特筆したものがあります。
2019年、渋野日向子はAIG全英女子オープンで優勝しました。
日本人の女子ゴルフプレイヤーが海外メジャーで優勝したのは1977年の全米女子プロゴルフ選手権で優勝した樋口久子以来であり、その点を見ても渋野日向子は優れた技能を持つと言えるでしょう。
渋野がゴルフに触れたのは小学2年生の頃で、2011年に岡山県ジュニアゴルフ選手権競技で優勝したのを機に本格的な活動を始めました。
高校を卒業した2017年に日本女子プロゴルフ協会を受けたもののファイナルまで進めず、その後はゴルフ指導者の青木翔に師事しました。
プロのゴルフプレイヤーになった2018年にはアース・モンダミンカップでホールインワンを達成し、その名前が広く知られるようになったのです。
翌2019年にはAIG全英女子オープンに初出場し、優勝を飾るという快挙を成し遂げました。
2020年のプロアマで優勝した原英莉花
1999年2月に生まれた原英莉花はジャンボ尾崎の愛称で知られ、2010年に世界ゴルフ殿堂入りとなった尾崎将司に師事している女子ゴルフプレイヤーです。
アマチュア時代は2016年に神奈川アマで優勝した他、同年のリゾートトラストレディスで16位タイの成績を収めました。
高校を卒業した2017年にプロとなり、日本女子オープンゴルフ選手権競技では23位タイの成績でした。
2018年にはラシンク・ニンジニアRKBレディースや日医工女子オープンで優勝し、ツアー外競技である日本女子プロゴルフ協会新人戦加賀電子カップでも優勝という好成績となりました。
2020年の10月には日本女子オープンゴルフ選手権競技で初優勝、次いで11月のプロアマ戦であるUNDER-PAR PRO-AMトーナメント2020でも優勝を飾ったのです。
母親の影響でゴルフクラブを握った小祝さくら
1998年4月生まれの小祝さくらが女子ゴルフの世界で活躍しているのは母親の影響が大きいとされています。
小祝の母親は宮里藍の大ファンだったため、小祝本人も自然とゴルフに関心を抱くようになったのです。
8歳からゴルフを始めた小祝はアマチュア時代に北海道女子アマチュアゴルフ選手権競技や北海道ジュニアゴルフ選手権競技で優勝するなど優れた技能を持ち、2016年のニッポンハムレディスクラシックでは初日単独トップで終えました。
2017年のテストに合格したことでプロへ転向し、2018年には日本女子プロゴルフ協会ツアー38試合に出場しました。
年間獲得賞金ランキングは8位で、初めてシード入りしています。
2019年のサマンサタバサガールズコレクション・レディース、2020年のゴルフ5レディスでツアー優勝を飾りました。
日本女子ゴルフ界をけん引する黄金世代
98年度生まれの女子ゴルフプレイヤーは世界規模で活躍する人が多く、その華やかさと優れた成績から黄金世代と呼ばれています。
幼少期に宮里藍の活躍を知ったことや、早くから英才教育を受けていたなどの共通点がありますが、それ以外にも本人がゴルフを心から愛し、真剣に取り組んでいるのは紛れもない事実です。
日本の女子ゴルフ界は黄金世代が活躍することで更なる発展を迎えると言えるでしょう。