多くの漫画でゴルフは題材に選ばれ、名作を生み出してきました。
少年誌から一般誌にいたるまで、さまざまな媒体で掲載されてきたのもゴルフ漫画の特徴です。
ふだん漫画を読まない人も、ゴルフのテクニックを学べるはずです。
何より、ゴルフ漫画では、プレイヤーたちの熱い思いが描かれています。観戦とは一味違う、新しいゴルフの楽しみ方が生まれるでしょう。
この記事では、ゴルフ漫画の魅力や、おすすめ作品を紹介していきます。
ゴルフ漫画を選ぶときに気をつけたいポイントは?
リアリティをチェックしよう
作品によって、ゴルフ漫画のリアリティはいろいろです。
実際にツアーを疑似体験しているような漫画もあれば、かなり破天荒な作品も少なくありません。
どれが優れているというわけではなく、読者の好みによって面白さは変わってきます。
自分が楽しめるリアリティの作品を選ぶようにしましょう。
同年代のキャラクターが出てくるか
キャラクターに読者自身を投影できると、漫画に愛着がわいてきます。
中高年の読者なら、ベテランゴルファーが出てくる作品に興味を持てるでしょう。
逆に、若年層なら学生や新人ゴルファーの物語に興奮するはずです。
絵柄
漫画である以上、絵の好みはどうしても出てきます。
最後まで、思い入れを抱ける絵柄の作品を追いかけるようにしましょう。
漫画好きもそうでない人も楽しめる!傑作ゴルフ漫画6選
風の大地
人生に大切なことを全て教えてくれる、ゴルフ漫画の金字塔
プロゴルファーとしての顔も持つ坂田信弘が紡ぐ、波乱万丈の物語です。主人公の沖田圭介は大学中退後、鹿沼カントリークラブで働きながらプロゴルファーを目指すようになります。優しい先輩たちやライバル、理解者たちとの絆に守られながら、沖田はプロ試験に合格、厳しい世界に足を踏み入れるのでした。メジャートーナメントが実名で登場し、人気ゴルファーたちと沖田が鎬を削る様子に、読者は大興奮するでしょう。試合展開やテクニックについての解説も丁寧です。
何より、惹きつけられるのは沖田の生き方です。素朴で実直な性格の沖田は、常に自分自身と戦い続けています。勝利のために打算的なプレーをせず、徹底して「勇気のスイング」にこだわり続けます。そうした沖田の姿から、ゴルフだけにとどまらない、人生の奥深さを学び取れるでしょう。毎エピソード、最後のコマに載っているポエムにも注目です。
- 現実のトーナメントが登場
- 試合や技術のリアリティ
- 沖田圭介の実直な生き様
ライジングインパクト
ゴルフで世界に飛び出した、少年の成長物語
主人公のガウェイン・七海はプロ野球選手に憧れる、普通の小学生でした。しかし、プロゴルファーの西野霧亜と出会い、野球以上の飛距離を持つ、ゴルフの魅力に開眼します。ガウェインはキャメロット学院でゴルフを始めるものの、名門校だけにライバルの壁は低くありません。それでも、ガウェインは「ギフト」と呼ばれる特殊能力を覚醒させ、独特のスイング、「ライジングインパクト」によって、台頭していくのでした。
見た目は愛らしいのに、福島弁丸出しのガウェインが、とにかくキュートです。また、ガウェインのライバルキャラクターの造形も掘り下げられており、彼らが切磋琢磨しながら成長していく展開に胸が熱くなるでしょう。一方で、能力が低ければ即退学という、キャメロット学院のシビアな掟も、作品を盛り上げています。厳しい勝負の世界で成長していく少年少女たちを、じっくり見守りましょう。
- ガウェインやライバルたちの愛すべきキャラクター
- 厳しい勝負の世界の描写
- 少年少女たちの人間的成長
DAN DOH!!
スーパーショットで切り開く少年の運命
青葉弾道は熊本県で暮らす野球少年でした。しかし、伝説のプロゴルファー、新庄樹靖と出会ったことでゴルフの魅力にとりつかれていきます。もともと身体能力が抜群だった弾道は、あっという間にプロゴルファーを目指せるほどの実力を身につけていくのでした。弾道がステップアップしていく様子は丁寧に描かれており、大人が読んでも参考になる作品です。一方で、プレー中には現実離れしたスーパーショットが飛び出すなど、いかにも漫画的な描写でも楽しませてくれます。
何より、弾道のひたむきさに心を打たれる読者は多いはずです。子どもながら真剣にゴルフと向き合っている弾道は、ときには、自分の体すら犠牲にして勝利をつかみとろうとします。その熱いプレーの一つひとつは、ライバルすらも感動させるのでした。とにかくドラマティックな展開が多く、読み始めたらずっと先が気になってしまう漫画です。人気作品ゆえに、続編として「DANDOH!! Xi」「DANDOH!! ネクストジェネレーション」も発表されました。
- 丁寧に描かれるステップアップの心得
- 漫画的に派手なスーパーショットの数々
- ゴルフにひたむきな主人公の熱意
ROBOT✕LASERBEAM
夢へと一直線!ライバルを蹴散らして高校日本一の座をつかめ!
高校一年生の鳩原呂羽人、通称「ロボ」は、感情に乏しく、頑固な性格です。特に勝負事への関心もなく過ごしてきた彼には、アイアンショットという特技がありました。父親の仕事を手伝っている合間で、暇つぶしにアイアンを打ち込む生活が続いていたからです。その実力は、同世代のスタープレイヤー、三浦鷹山の目に留まるほどでした。鷹山の希望で勝負をしたものの、決着はつきません。ゴルフの面白さを理解したロボは、鷹山と再び戦うべく、本格的にプレーヤーを目指し始めるのでした。
アイアンショット以外はまったくの素人で、まっすぐ打つ以外のテクニックを知らないロボが、とにかくユニークです。ライバルたちとの死闘を通して、ロボは徐々に新しいショットを見つけていきます。また、高い作画力で描かれるキャラクターたちはイケメンぞろいで、女性読者も入っていきやすいでしょう。ロボと鷹山が運命の再戦を果たせるのか、最後までワクワクが止まらないおすすめの一作です。
- まっすぐしか打てないロボのユニークな設定
- イケメンぞろいの作画クオリティ
- 再戦を誓ったライバル2人の運命
プロゴルファー猿
出版社 | 小学館 |
作者 | 藤子不二雄A |
巻数 | 全19巻 |
電子書籍 | Renta |
野生のパワーでゴルフ界に旋風を巻き起こせ!
巨匠、藤子不二雄Aが1974~1980年にかけて連載していた、ゴルフ漫画の代表格です。猿そっくりの野生児が、プロテストに挑戦する姿を描きます。猿丸は自分で作った木製のクラブだけを使って、あらゆるコースを周っていきます。しかも、猿丸が活躍しているのは、現実にはない「裏ゴルフ界」です。そこには、荒くれものたちが集い、金のために賭けゴルフを繰り広げています。野生と裏社会で厳しく鍛えられた猿丸が、予測もつかないスーパーショットを繰り出す展開は必読です。
作中に登場するゴルフコースは、どれも険しい設計がなされている難関ばかりです。常人ではグリーンにすらたどり着けないような構造になっていて、猿丸たちがどう攻略するのか、注目だといえます。ただ、数々の必殺技を持ち、プレー中は厳しい表情を見せる猿丸も、普段はむしろ、だらしのない人間です。金に目がくらみやすく、女性に弱い猿丸は、失敗することも珍しくありません。こうしたギャップが、多くの読者から愛される理由なのでしょう。
- 猿丸のプレーする野生のゴルフ
- 現実離れした裏ゴルフ界のコース設計
- 思わず笑ってしまう猿丸のだらしない性格
あした天気になあれ
出版社 | 講談社 |
作者 | ちばてつや |
巻数 | 全58巻 |
電子書籍 | コミックシーモア |
あの名台詞を生んだ、ゴルフ漫画の王道
1981~1991年にわたって週刊少年マガジンで連載された、名作漫画です。中学生からゴルフを始めた向太陽がプロテストに合格し、世界中のツアーで戦う物語です。太陽がスイングをするときのかけ声、「チャー・シュー・メン!」は、ゴルフ好き以外にも知られている台詞となりました。
体格に恵まれた太陽は、努力家でもあり、大好きなゴルフとまっすぐに向き合い続けます。一方で、幼さゆえに判断を誤るシーンも少なくありません。太陽が自分の弱さを克服していく姿は、読者にさわやかな感動を与えるでしょう。「トラブルショットが上手い」という長所を武器に、逆境を力に変えていく展開が本作のポイントです。そして、太陽を支える家族との絆にもほっこりさせられます。
- 弱さを乗り越えていく主人公
- 逆境を力に変えるトラブルショット
- 家族との物語に感動
名作から知られざる傑作まで!漫画でゴルフがますます好きになるはず
ゴルフ漫画は、改めてスポーツの持つ面白さ、美しさを伝えてくれます。
細かい心理描写によって、ゴルファーの思考を体験できるのは漫画を読む大きなメリットでしょう。
また、ゴルファーの背負っている責任、プライドをじっくり読み込むと、何気ないプレーの一つひとつにも感動できます。
イメージトレーニングとしても、漫画は非常におすすめです。
電子書籍版なら空き時間にすぐ読めるので、気になった作品をチェックしてみましょう。