ゴルフは、かつては中高年の男性が行うというイメージの強いスポーツでしたが、現在では子どもから若い女性、高齢者と幅広い人々が楽しむスポーツになっています。このようなゴルフをコースで楽しむ場合にネックとなることが、ルールの難しさ・煩雑さです。2019年に改正されたグリーン上のゴルフルールについて紹介します。
2019年に改正されたルール
どうしてルールは改正されたのでしょうか。
ルール改正の理由
ゴルフには、紳士のスポーツということで様々なルールが存在しています。スポーツとしてのプレーに関するルールもあれば、ふるまいを促すルールも数多くあります。これらのルールは、初心者にとっては非常にわかりにくいこともたくさんあるうえ、時に合理性に欠くのではないかと思われるものも複数存在していました。そのため、2019年にゴルフ全体のルールが新ルールへと大幅に改定され、ゴルフのプレーがしやすくなりました。改定されたルールは様々ありますが、規則16と規則17の内容であるパッティンググリーンと旗竿に関するルールが規則13において変更されています。
グリーン上のプレーのルール改正
グリーンとは、ボールを転がしてプレーするために特別に調整されたエリアで、各ホールには旗竿も存在しており、コースのほかの部分とは異なるルールが適用されます。禁止されている行為も数多く、特別な配慮も必要なエリアです。禁止事項がほかの部分と比べて格段に多く、初心者にとっても、玄人にとっても煩雑で、取り組みにくいものが多くありました。グリーン上のプレーも、2019年のルール改正により簡略化とスピード化を目指すことになり、よりわかりやすく、合理的なものとなったので、初心者でも取り組みやすくなっています。
新旧のルールの違い
グリーンのプレー上での新旧のルールの大きな違いは、主に4つに分けることができます。ひとつはパットラインに触れる行為について、二つ目がグリーン上の損傷の修復に関して、三つ目がボールが動いた際の対応と罰則に関して、そして四つ目が旗竿を残したままのパットに関してです。それぞれにおいて細かな部分で改正がなされ、プレー上のちょっとしたミスや不意の事故があっても不合理な罰則が科されることは少なくなりました。
パットラインに触れる行為に関するルール改正
旧ルールでは、ボールのライン線上に触れる行為に関して、ルールの許す正当な理由なしに触れてはならないとなっていました。もし、キャディと相談したり、パットラインの確認のためにパターで、ラインと思われる場所に触れたならば、ルール違反となります。ルールを破ると、2罰打が科されることとなっていましたが、このルールは改正され削除されました。新ルールでは、プレーヤーでもキャディでも、パター以外にも手足、物でグリーン面に触れても問題ありません。ただしストロークに影響を与えるものは禁止されています。
グリーン上の損傷の修復に関するルール改正
旧ルールの場合、グリーン上のコースの損傷は、ルースインペディメントは取り除けるが、それ以外はあるがままの状態でプレーしなければならないとなっていました。勝手に直すと、2罰打が科されてしまいます。このルールは公正性と合理性から長年議論されてきており、2019年のルール改正で削除されました。新ルールでは、プレー線上の損傷は無罰で直すことができます。ただし、摩耗や自然凹凸、自然現象による損傷に手を加えてはいけません。
ボールが動いた際の対応に関するルール
旧ルールでは、リプレース後にボール・ボールマーカーを動かした場合には1罰打が科されるほか、キャディがマーク後にボールを拾い上げる際にはプレーヤーの承認が必要でした。このルールにより、もし風でボールが動いたり、キャディやプレーヤーが物を落としてうっかりボールが動いてしまった場合、元に戻すことができませんでした。新ルールではこれらが改正され、自然現象や不意の事故によってボールが動いてしまっても、無罰で元に戻すことが可能です。
旗竿を残したままのパットに関するルール
改正される前は、旗竿が立てられた状態でボールを打ち、旗竿に当たると2罰打ととなっていましたが、ルールが改正されました。プレーヤーが旗竿を残したままプレーを再開することを決めた後に旗竿に当たった場合は無罰となります。
その他のルール
このほか、以前のルールでは旗竿から遠い人からプレーすることが望まれていましたが、打つ準備が整っていないのならば、プレーの時間節約のために準備ができた人から打つことが推奨されるようになりました。
ルール改正でプレーをより快適に
ゴルフには様々なルールが存在しており、グリーン上では特に特別なルールがあります。これらのルールは合理性やプレーの迅速化を考えて、2019年に大幅なルール改正が行われました。煩雑なルールが少なくなったので、初心者でもわかりやすくゴルフを楽しむことができるようになったといえます。ルールとマナーを知り、ゴルフを楽しんでください。